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めまいに対して、どこまで検査をしておくべきかは、患者さんの症状や医者の考え方によっても異なります。まさにピンからキリまでありますが、そのうちのどれが良いかは、難しい問題です。
大切なのは、脳の検査です。中高年のめまい患者さんが心配なのは、脳に異常があるかどうかです。この目的では、脳のMR検査を受けておくことが必要です。CTでは不十分です。
MRは、今日普及してきている「脳ドック」の主役となる検査法です。脳ドックでは、MRを用いて小さな脳梗塞や脳血管のコブなどの奇型が発見されます。
将来的な脳卒中やくも膜下出血を予防するシステムです。
脳に特別な病気のないことを、MRで確認するのと相前後して、耳鼻科医に相談するのが良いでしょう。
耳の検査としては、平衡機能に関係する内耳機能検査が基本です。耳の中に冷たい、あるいは温かい水や空気を入れ、めまいをおこす検査です。多少、うっとおしい部類の検査ですが、大切なものです。
その他、首痛や疲れ目の検査があります。
このようにめまいひとつをとっても、サマザマな検査があります。どこまで調べておくか、それを決めるか、医師とよく相談して下さい。
それでも、きっちりとした検査を受けておくことによる安心感だけで、めまいが楽になることもあります。
ある患者さん、曰く。
「センセ、費用のことも心配ですが・・・」
「・・・・・・」
「今度は、こころの検査ですか?」
それは患者さん自身が診断することです。