根本的な原因の特定とその治療いうのは難しいのでしょうか。(No.748)
2013.08.24
めまいの発症は昨年の2月。
朝起きると天井がすごいスピードで回転していました。怖くて目をつぶり、再度眠りました。それからしばらくして起きると大丈夫だったので、会社へ出勤。風邪のようなだるい症状が1日続きました。
翌日起きると、回転はしていませんでしたが、まっすぐ歩けないほどのふらつきがあり、土曜日だったこともあり、救急病院へ行きました。そこでの診察はメニエール病。
後日改めて近くの耳鼻科に行きなさいと言われました。
翌日、近所の耳鼻科へ行くと、めまいと言えば耳の病気が疑われるが、眼振なども再現せず、耳は原因ではない、他の科を受診してくださいと言われました。
今度は内科に行きました。そこではメニエール症候群と言われ、診断書をもらい、会社を2週間ほど休職しました。その間めまいは続いていました。
職場復帰しましたが、頭がブーンと痺れるような違和感はずっと消えないままでした。
7月に入りまためまいが再発し、朝起きると回転を伴わないめまいで、歩けないほどに。
再び1か月半休職することになりました。
8月中旬から復職し、たまに欠勤を繰り返しながら、なんとか1年かけて回復してきました。この間ずっと耳鼻科(最初と違う耳鼻科)に通っていました。内服とブロック注射での対応でした。
そこの耳鼻科で脳波の検査をして、結果、左の耳に原因があるのではと言われましたが、対処療法のみで根本治療はありません。 通院を1年続けてきて、ある程度のところまで回復してきましたが、まだ違和感が残っています。
体調にもよるのですが、頭(眉間)が、ブーンと痺れる感じ。または、寝る時に頭の位置を変えるとグラグラする感じや、沈み込む感じ。起きてる時も頭を動かすとしばらくフラフラしたり。吐き気も止まらない時もあります。
だいぶ良くはなってきましたが、完全に治らず、どうしたら良いものか考えてしまいます。
めまいの原因を探るべく、脳外科と神経内科でそれぞれ脳のMRIを受けたが以上なし。
婦人科でホルモンの値を見て脳下垂体に腫瘍があるかもと言われここでもMRIを受けたが異常なし。
整形外科にも通い、首の骨が少し歪んでいるが、直接めまいに関係するほどのものではないと言われました。
めまいって根本的な原因の特定とその治療いうのは難しいのでしょうか。
原因を確定し治療し完治したいと希望いますが、なかなか難しいようです。
(M.K様 女性 40歳 千葉県)
まずはじめのメニエール病およびメニエール症候群に関しては、お話し内容より否定的です。蝸牛症状(耳の閉塞感や聴力低下)を伴う水平回旋性眼振が複数回起こることが条件ですから、1度だけで診断できることはありませんし、めまいといえばメニエールという短絡的な診断であった可能性が高いように思えます。
次にめまいの診断に関しては確定できる時とそうでない時が多々あり、複数箇所が原因および背景に考えられる症例も多く経験しております。恐らくどこに行っても単一的な診断をつけるのは困難でしょう。
同時に繰り返すことが十分に考えられ、完治する=今後一生でなくなると言うのは現代医療では難しいのではないかと思われます。いかにめまいが出にくい状態を作るか、安定している時を長く持たせるかというのが治療の方向性になってくるのではないでしょうか?
そのように聞くと絶望的になる方もおられますが、現実的な話しだと思います。
当院では予防および再発時の対応に関しても注意喚起をしておりますが、一度主治医にもよく相談されてみてはいかがでしょうか?お大事になさってください。